通販に関する私達の意見


通販で買った人が自店に

鈴木 雄二郎
サングラスで人気のA社が来年から本格的に通販を始めるそうです。
そうなるとまた、大変な事になりますネ〜。
 無駄とは思いましたが
昨夜A社のマネージャーに通販を許さない宣言しているサイトの紹介を
メールで送りました。
 彼らも法律でNGでないかぎり、本国の指示に従わずにはいられないそうです。
 大切な私達のこの「業界を守り、次世代に継いで行こうなんて真剣に考える人材はメーカーには期待出来ないのですね……。
 一攫千金、宝の山を当てて稼げるだけ稼いだらハイそれまで、後はドウゾヨロシク的な考えの情けない業界です……。なんか、悲しくも虚しくなって来ます。
                    ●
 実は本日も「宅配のメガネ屋」でタレックスを通販で買われたユーザーが来店したのですが、大喧嘩ですヨ! 
 ユーザー「ずれるからピタッと収まる様に調整して貰えます?」 
 私「出来ません」 
 ユーザー「エッ、だってココはタレックスのショップですよね(ムッとしながら)」 
 私「意地悪で申し上げているのではないんですヨ。物には限度が有りまして、どこをどう見ても無理です。
顔に対して寸法も合っていなければ、弦の長さも足りていないじゃありませんか?」 
 ユーザー「俺の顔の形がいけないのか?」 
 私「顔の形が悪いのでは無く、顔に合わせて買わなかったのがいけないんですよ」 
 ユーザー「1000円までなら払うからどうにかしてヨ」 
 私「買った店に言ったら良いのでは? なんで私に言うのですか?」 
 ユーザー「だってお宅が一番近いから・・・」  
 私「貴方がこれから私を1時間説得しようとも無理ですヨ」 
 ユーザー「何だよこの店!」
……とまァ、こんな具合に、私は本日精神的に参ってしまいました。
 明日にでもまたタレックスに報告を入れ、よその店に迷惑のかかる様な販売はさすな!と電話を入れます。
 もう何十回も電話をしましたが、やってられません。

サングラスなら通販は許される?

岡本隆博

結論
「通販で買ったサングラスは通販で買った矯正枠より以上に、
他店での適切なフィッティングは期待しにくい」


 メガネ店の中には、度なしのサングラスは通販するが、矯正枠や度つきのレンズは通販しない、というところが少なからずあります。大手のチェーン店にもあります。

 その理由は、「度付きの場合、フィッティングがちゃんとなされていないと、掛け心地だけでなく見え方にも影響して、ときにはフィッティング不良のせいで眼精疲労や頭痛、身体の不調などが生じることもあるけれど、度なしのサングラスではそういうことはないから、まあ、いいのではないか」という考え方や、あるいは「矯正枠に度の入ったレンズも入れて販売した場合には、あとで見え方がどうこうという苦情が来たら困るけれど、サングラスならその心配はない」といったことからでしょう。

 しかし、その考え方に私は賛同できません。度なしのサングラスだけの通販でも、商業倫理の上で善くないことだと私は言いたいです。
 その理由は大きくわけて2とおりあります。

1.力学的な適合不良が生じるおそれ

 フィッティングには、力学的要素、光学的要素、美的要素、の3つの要素があります。
 
 このうち、度なしの場合には、フィッティングと光学的要素との関連性はほとんどないのですが、ただ、小さめの玉型で、レンズと眼の間隔がやや長めになると、サングラスをかけた状態でも、レンズ以外の周辺部から眼に入ってくる紫外線が増えるということはあり得ます。これは、いわばフィッティング不良による物理光学的な面でのデメリットということになります。

 そして、重要なのは力学的要素です。通販で販売されたサングラスにまったくフィッティングを施さなくとも、特に問題なく使用できるということも全然ないとは言えないでしょうが、逆に、ずり落ちやすいとか、こめかみのあたりが締め付けられて痛い、、とかいう問題が生じることは、当然ながら多々起こってきます。
 場合によっては枠の腕部分が当たるコメカミあたりの所で皮膚がかぶれてくるということも起こり得ます。

 なかには、「このサングラスはフィッティングなしで誰にでも合います」などといううたい文句で発売されているサングラスもあるようですが、それは、そのメーカーがそう言っているだけであって、事実に反する主張、というか、宣伝です。

 たとえば、顔の横幅、耳の前後位置、鼻の根元の太さや幅、そして耳の後ろの形状は人によって様々なのですから、フィッティングなしで誰にでもピッタリ合うなどということはあり得ないのです。

 フレームメーカーの人は日常的にフィッティングをしてはいませんから、フィッティングの理論と実際に関してうといのが普通ですから、そういう大げさなことを言ったとしても、私は苦笑ですませてもいいかと思うのですが、もしも、メガネ屋(眼鏡技術者)でそういうことを言う人がいたとしたら、私はその人に「君の『これで合っている』の判断基準は甘すぎるよ。まだまだ勉強が足りないネ。もっとよく観察をしてよく考えなさい」と叱りつけたいです。

2.他店できっちりフィッティングをしてくれるのか

それで、その通販で買って「合わないサングラス」をどこかの店へフィッティングをしてもらいに持っていったとしましょう。その店では、上手に真面目に真剣にフィッティングをするでしょうか。
 その可能性はかなり低いです。その理由は次の4つです。

(1)フィッティングが上手な眼鏡技術者は少ない。

 私は眼鏡業界での技術講師としてこれまで多くの人達にフィッティングも含めて教育をしてきました。
 そして、常日頃、当店に来られたお客さまのメガネで、他店でフィッティングされたものを見ています。
 そのことから、我が国全体での眼鏡技術者におけるフィッティング技術レベルは、高いとは言い難い、という感想を持っています。

 もちろん、上手にフィッティングをする人もいますが、少数派です。あなたが、通販で買ったメガネをどこか近隣の店にもちこんだとして、そこにフィッティングの上手な人がいる可能性はあまり高くないです。

(2)料金を請求しにくい。

 他店で販売されたサングラスをまともにフィッティングをしたとしても、料金を請求しにくいものです。なぜなら、それくらいはたいていは無料で(いい加減に、ですが)やる店が多いので、うっかり料金を貰うと「あそこの店はちょこちょこっとさわっただけで500円も取った」などと思われかねません。

 そうかといって、他店にあわせて無料でフィッティングをするという気にもなりにくいので、(俺はいままでこんなに苦労してフィッティング技術を磨いてきたプロのに、なんで無料でしなきゃいけないんだ、という気持ち)なら、初めから「フィッティングして、おかしなことになった場合に、責任が生じるので」と言って断ったほうがましです。

(3)料金をもらったとしても、費やした時間と労力に見合う金額は請求しにくい。
 十分な技術を見につけたベテランの技術者(そういう人は全国的に見て決して多くない)がたとえば10分間掛けてきっちりフィッティングをしたとしましょう。そういう専門的な技術に対して貴方はどれほどの経済的な価値をお認めになりますか。

 私は2000円でも3000円でも高くないと思うのですが、たいていのお客さんは1000円以上を請求されたら、「高すぎる。ぼったくりだ」と不満を感じるでしょう。それなら初めから断る方がましだ、と技術者が思ったとしても無理はないと思います。

(4)サービスでフィティングしたとしてもサングラスの場合には

 そうすると、自分の技術に自信のある人が「自分の思うだけの料金がもらいにくいのなら、いっそ無料できっちりしたフィッティングをしてあげようか」という気になってもおかしくないわけです。その方が中途半端な料金を貰うよりも、まだ技術者としての誇りが保てます。

 しかし、それは度つきのメガネの場合にはあり得ることですが、サングラスの場合には、そういう気にはなりにくいですね。なぜなら、度の入ったメガネの場合にはそのフィッティングでこの店の技術は良いなと思ってもらえたら、
また次の商売に繋がるかも知れない、という期待を持てますし、枠だけの持ち込みでレンズを当店で入れるというのなら、「まあ、レンズを買ってもらうのだから枠のフィッティングはサービスしよう」と思うこともあるでしょう。

 しかし、サングラスの場合には、そういう期待感は持ちにくいし、レンズで売り上げになるということもないです。当店でサングラスを買う人なら、初めから通販(あるいは他店)で買ったりはしないでしょうから。

 ですから、結論を言うと、通販で買ったサングラスは通販で買った矯正枠より以上に、他店での適切なフィッティングは期待しにくい、ということになるのです。

 なお、大手のチェーン店でサングラスの通販をしているところがありますが、私は、その企業の支店が全国津々浦々にあるのなら、通販で注文だけ受けて、ユーザーに一番近い店へ商品を送って、その店までユーザーに来てもらってサイズ適合性の確認やフィッティングするという方式でしたらよいと思います。(その場合、各支店でいろんなサングラスの在庫を持っておく必要がないという経営上のメリットと、店へ来てもらわなくても商品をあらまし見てもらえるという宣伝広報効果があるわけです)

 その方式にすれば、「自分の顔に合わない大きさのもの来た」ということもなくなるし、フィッティングで他店に迷惑をかけることもないと思います。それでこそ広域チェーンの値打ちが出るというものです。

 それをせずに「あとはテキトーにやってください」という感じでサングラス(や矯正枠)を通販するのは、やはり「無責任商法」のそしりを免れないのではないでしょうか。

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 おわりに、みなさんにわかっていただきたいことを一つ言っておきます。
 持ち込まれた他店購入のサングラスを無料サービスでいやな顔一つ見せずにフィッティングだけでもしてくれる店というのは、チェーン店などに多いのですが、それはその販売員の人間性とは関係なく、上からの教育(指示)でそのようにしているわけです。
 そういう「タダで気軽にやるフィッティング」をする店の場合は、技術者としての誇りや責任感よりも、商売優先の店だと私は思います。
 そういう店の中で、本当に上手に真剣にフィッティングをする人が販売員やあるいは技術者として常駐している店は少ない、と言っても過言ではないでしょう。
 
 もしも、これを読まれた眼鏡技術者の中に「いや、私は他店購入のサングラスでも、上手に真剣に無料できっちりとお茶を濁すことなくフィッティングする」というかたがおられたら、ぜひ私のところまでご連絡ください。あなたの技術を判定してあげますから。

 あ、そうそう、私に連絡をする前に、下記のテスト問題でご自身の実力をまず知ってくださいネ。
http://www.ggm.jp/ngk/news/examination.html
(これは私が作成した問題です)

他店の調整でうまくいくかどうか

岡本 隆博
量販店などのチラシに
「他店さまでお求めのメガネの調整もお気軽にお申し付けくださいませ。
無料にて調整させていただきます」
などと書いてあります。また、店頭にそういうポスター表示のある店もあります。

ユーザーのかたがそういうのを見ると、一見「あ、ここは親切な店なんだなあ」と思われるかもしれません。

しかし、私には、「親切だと思って貰って、その人を自店の中に入ってもらって、調整などをするうちに親しくなって、いずれは自店のお得意さんにしたいという、商売商売の店」という印象を禁じ得ません。

 もしも、自分の調整技術に自信があり、それを苦労して身につけたという自負のある人ならば、なんでわざわざ宣伝までして、本来自店がまったく責任のない他店購入の枠の掛け心地調整などということを無料でやろうとするのでしょうか。

 無料調整を積極的に宣伝している店に調整の上手な店があるように私には思えませんし、第一、これまで他店調製でフィッティングもその店でなされた枠をいろいろ見てきましたが、「下手なフィティングだな」と思えるものは多いですが、上手にしてあるなと思えるものはごくごく一部です。

もっとも、何かにぶつかってメガネがうんと歪んでしまってかけてはおれない、などという緊急性を要する場合には、何らかの事情でお買い求めの店へ行きにくいのであれば、当店でも調整をさせていただきます。
 その場合、調整の程度にもよりますが、有料です。

しかし、そういう事情とはまったく違って、なんだか掛け心地が良くない、なんての場合は、特に急ぐわけでもないのですから、まず購入店へ行ってもらいます。
その購入メガネ店が安売りの店であろうがなかろうが、関係なく、その店へ行ってもらいます。そのメガネの最終製造者は枠メーカーでもなく、レンズメーカーでもなく、メガネ店なのですから。
ただし、そのメガネを買ったあとでこちらへ最近へ引っ越して来たので、ここでなんとかしてほしいとか、あるいは、購入店で何度も調整してもらったのだけれど、うまくいかない、というようなやむを得ない事情があるのなら、調整をさせていただきます。
ただし、その場合は、その調整結果に納得されたら次には自店でメガネをお求めいただくということが前提です。もちろん有料です。

 世の中、無料サービスのものには何か裏があります。
 メガネ屋での無料調整サービスというものの問題点としては、きっちりした調整技術を持っている人がなんでわざわざ奉仕的なそういうサービスを自分から宣伝してまでしなきゃならんのか、という疑問が当然あるわけです。
  たとえば、業界で有名なフィッティング講師の横田進氏は、メガネ店の店主でもありますが、「私は他店購入のメガネについては、緊急性を持たない限り一切調整は引き受けない」とおっしゃっています。
 それもひとつの見識だと言えるでしょう。

 ですから、他店購入のものでも無料調整サービスと自分から謳っている店での調整は、いわばやっつけ仕事しかできなのではないかと私は思っています。

 もし、「そんな失礼な! 自店は他店購入のものでも無料調整と宣伝しているが調整技術はしっかりしている」とおっしゃるかたがおられましたら、どうぞお申し出ください。
私がそのかたのフィッティングに関する知識と技術をテストして、優秀なかたであるとわかれば、例外として、このサイトのその技術者のかたの店とご本人の名前を掲載させていただきます。
 なお、そのかたは、私に申し出る前に、ためしにこの実力問題を解いてみられることをお勧めします。フィッティングに関する問題も入っていますので。

  http://www.ggm.jp/ngk/news/examination.html

そして、通販に関して言いますと、
職業人としての倫理観と専門知識と技術を兼ね備えた人なら、当然ながら、
フィッティングを放棄して自店のお客さまに枠やサングラスを購入していただくなどという、「手抜きによる商品の提供」をする訳がないと私は思います。
そういう通販は「お客さまのご満足よりも売り上げの数字」が大事だと見なす人間のすることではないでしょうか。

なお、厚生労働者認可の社団法人、日本眼鏡技術者協会が認定した認定眼鏡士であることをうたって、サングラスやメガネの通販を行なっている人間がいます。それを私が同協会の会長に申しあげても、会長は何ら対策を講じられません。

そのことに私は強く抗議します。認定眼鏡士のいる店であることををうたって通販をする人間も人間ですが、それに対して認定取り消しに動こうとしない同協会も、それ以上に無責任だと思います。

公的資格が何もないメガネ業界において、同協会は国が認めた公益法人なのですから、その協会が認めた眼鏡士は公的資格に一番近いものだと言えます。
眼鏡士の「士」は、公認会計士、弁護士、建築士、消防士などの「士」であり、それは自分の専門的な能力でもって私利私欲を離れた公益のために尽くす存在でなければなりません。

それなのに、こういう有様です。これをなんとかできないようでは、協会には公益法人としての資格がないと私は思います。

メガネ・サングラスの通信販売について(その危険性)

鈴木 雄二郎
今、このネット社会では、ありとあらゆる物がボタン一つで購入できます。
小さい物から大きい物まで実に様々です。
でもその「ボタン」を押す前にちょっと皆様に考えていただきたいのです。
果たしてそれは本当にネットで買ってしまって良い物なのかどうかということを……

売り手の中には、少しでも多く売りたいがために(売上げ主義)手を変え品を変え、それこそ商業道徳も無視して何でもかんでも販売する業者がいます。
しかし、そこには「大変危険」な落とし穴も潜んでいることがあるのです。
ここではメガネやサングラスについて、その落とし穴について少しご説明させて頂きたいと思います。

先ず「商業道徳」とは何でしょうか?
商品を販売する側にとっての最低限の責任、すなわち、その商品がお客様の手に渡った時に商品として成り立つものを販売しているのかどうか、ということを忘れてはならないと私は思うのです。
当たり前の事ですが、それが商品として成り立たなければ、それは「商品」とは呼べません。
きっと不良品というレッテルを貼られる事でしょう。
商品ではないものは売ってはいけません。それが商業道徳の一つです。
このことを大前提にお話を更に進めて行きます。

私達が扱う「眼鏡」及び「サングラス」はその商品の特性上、そのままでは「完成品、商品」とは呼べません。
詳しくはこのサイトのhttp://eyetopia.biz/tuhan/teigen.htmlをご覧下さいませ。
まだ、個々のユーザーに「合って」いなければ、ぞのユーザーにとっては、それは半製品であり、完成品ではありません。ですから商品として成立させてはいけないもの、すなわち、できあがった商品として販売してはいけないものなのです。
通信販売で眼鏡やサングラスを購入するということは「未完成品」を購入するということなのです。
皆様なら「完成品」と「未完成品」とどちらにお金を払いますか?
そうです、当然「完成品」です。
即ち眼鏡、サングラスは、必ず「対面販売」で、個々の人にいろんなアドバイスやフィッティング調整などをして、その人個人のものとした上で販売するのが基本中の基本であり、通信販売で売るべきでもなく、買うべきでもないのです。

商業道徳とは、すなわち売り手の「良心」です。
完成していない商品を通信販売で売る業者に、本当に「良心」があるのでしょうか。
私達メガネ通販110番のメンバーは、商品でない物を無理に「これは商品です」と買い手に伝えている悪徳業者が許せないのです。

眼鏡、サングラスを通販で売っている業者の無責任さはそれだけではございません。
多くの通販業者が「一度使用なさった物は、返品、交換は出来ません」と断っております。
こんな馬鹿げた事が許されて良いのでしょうか?当然許されるべき事ではございません。
本来、眼鏡やサングラスは完成品を受け取り「使用して見て初めて自分に合っているか、いないかが判断できる」商品です。
通販で購入する眼鏡、サングラスは当然、お顔に合わせたわけでもなく、また、光学的に合わせたものでもございませんので、最初から自分に合う可能性など、ほとんどど無いに等しいはずです。
通販業者もそのようなことは「一応」眼鏡屋ですから分っているはずなのに、儲けのために、買った個々のユーザーにちゃんと合うかどうかなどというには眼をつぶって、売ったら勝ち、儲けたが勝ち、ということで、自分の良心から聞こえてくる「やめとけよ」という声を聞こえぬふりをして、売り続けているのです。 
このことが、先にも述べました「商業道徳」に繋がるのです。
メガネやサングラスの通販は、明かに商業道徳に反しております。

それでは買った眼鏡やサングラスが調子が悪い場合には、売った責任のあるその業者はどういった対応をしてくれるのでしょうか?
答えは2つ考えられます。 
1つは「持って来て下さい」など非現実的な事を言います。(大阪のかたが東京の通販業者まで持って行く、なんて……? それでもまだ逃げずに「持ってきて欲しい」と言うだけましな方かもしれません) 
もう1つの回答は「近所の眼鏡屋で調整して貰って下さい」という最悪な答えです。
売った本人達は責任を全て「放棄」する、あるまじき発言でございます。
中には、買った人から相談がくる前に、そのサイトに「お近くのメガネ屋さんで調整をしてもらってください」と堂々と悪びれもせず書いてあるサイトもありますし、「お金を払いますから、と言えば大抵は無料でやってくれます」というような悪智恵を授けているサイトもあります。そういうことを書く人間の人格が伺われます。
こういう無責任な、自店が儲かればユーザーや他の店は困惑してもかまわない、という手前勝手な商法……、自店へわざわざ来てくださったお客さまだからなるべく親切にしてあげようという良心的なメガネ店のサービス行為につけこんだずるい商法を、私は絶対に許せません!

また、これらの通販サイトにおいては、サイトに表示している商品がすべてその店で在庫してあるわけではないので、たいていの通販サイトには「品切れの場合は○○日ほどお待ちいただきます」というようなことが書いてありますが、印刷されたカタログではないのですから、品切れしたらすぐに表示を外すのが当然でしょう。
そうでないとお客さまに失礼です。
しかし、それをしないということは、実は「不測の品切れ」なのではなく、「常に店では持っていない商品」をいろいろ載せているのだろう、という想像をされてもしかたがないのではないでしょうか。
すなわち、通販業者のサイトにある商品のかなりの割合のものは、販売者自らが商品を手にとって、レンズの入れ易さ、フィッティングのしやすさ、めっきの具合等々について吟味をしたこともない「初めから自店にはなく問屋かメーカーが在庫している商品」である蓋然性が高いのです。
そして、注文がくれば「品切れでした。もうしばらくお待ちください」と返事をして問屋かメーカーに注文して、それが自店に届いたらすぐにユーザーに送るというわけです。
その方が在庫負担が少ないですから経営上は有利なことは明白です。
しかし、それではもはや、眼鏡技術者ではないことはもちろんのこと、まともなメガネ屋ではなく、単なるブローカーだと言えるのではないでしょうか。
商品の現物をよく調べもしないで右から左に売るというのは、ユーザーに対しても、商品に対しても何の愛情も責任感も持たない販売行為だと言えるのではないでしょうか。
だから、業界の中で模範となるような評判のよいメガネ店は、当然ながら通販でサングラスやメガネを売るなどということはしていないわけです。

おわりに、この110番のサイトが皆様のお役に立てば私は嬉しく思います。
皆でこの無責任商法について真剣に考えようじゃありませんか。
そしてユーザーのかたがたも、たちの悪い業者に対しては、毅然とした態度で断固、抗議をしていきましょう!!
私達110番のメンバーが力になります。


時計店の場合

トケイ・メガネ ユキエ 雪江 美也
メガネ通販・110番の記事を見て、いろいろと考えさせられました。
当店は兼業店ですので、時計のお客様もいらっしゃいます。
ここ何年か通販で求められたであろう腕時計のバンドつめにこられる方が増えてきています。当店では自店販売以外のバンドつめはお断りしているのですが、メガネのお客様であった場合など断り切れない場合もあります。
その場合は事情を話し、今後はできない事をお伝えして、有料にてお受けする場合もあります。

「通販で求めたので」とあたり前のようにおっしゃる方もいらっしゃれば、
「頂いたものなので」とのことですが、本当かなと思われるものもあります。
腕時計の電池交換なども販売店に行ったら「時計店で入れてもらってください」と言われたと言いながらお持ちになられる方もあります。
こういう販売店の無責任さはもちろんのことですが、買う側にも、アフターケアーに対する認識の不足が考えられる場合もあります。

自店で電池交換できない商品を平気で販売するお店、その商品を平気で購入し無責任さをそのお店に問うのではなく、バンドつめをしない店を不親切だという消費者……、こういう組み合わせが最近増えてきているように思います。

時計の場合はメガネの場合とは事情が異なるとは思いますが、ユーザーに対するメガネにおける早目の啓蒙活動は非常に大事だと思います。

子供110番の家(看板にて表示)があることが、地域の子供たちの安全を喚起することに役立っています。その表示を見ることによりまわりの方も注意をするようになります。

多くの店がメガネ通販110番を表示することに意味があると思います。
私は何をしたら良いのかわからずためらっていたのですが、このサイトの立ち上げをきっかけに、協賛店としての表明をすることで何かお役に立てればと思います。

*通販をしているメガネ屋さんに*
岡本隆博
人間誰にでも「良心」と「悪心」があります。どちらかが100%という人はいません。

 あなたがこれを読んで、あなたの中の「良心」が「悪心」に勝ったら、いまからでも遅くはないですから、眼鏡やサングラスの通販からは手を引いてください。

 通販を始めるにあたって、あなたは
「無責任な商売だけれど、他でもやっていることだし、ま、いいか。とにかく売り上げが立たないとおまんまの食い上げだしな」
ということで自分の胸の中から聞こえてくる良心の声を押し殺して、通販をお始めになったのだと思います。

 しかし、違法ではないからということで、
 儲けのために、自分の良心に恥じることを続けていては、あなたの人生はどうなるのでしょうか。あなたの心の中のうしろめたさが、あなたの精神を少しづつ腐食させていくのではないでしょうか。
 
 たとえばあなたのお子さんが中学生で、あなたがメガネの通販をしていると知っていたとして、そのお子さんがもしこのサイトを読んだとしたら、あなたはお子さんにどう説明なさいますか。 

 いまからでも遅くはありません。
 皆で力を合わせて立派な品格のある業界にしようではありませんか。


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