眼鏡やサングラスの通販をする「認定眼鏡士」


メガネ業界で、厚生労働省から公益法人として認可を受けて全国の眼鏡技術者を教育する責務を負った団体が、
(社)日本眼鏡技術者協会です。我が国でその責務と権限を持つ公益法人は、この協会だけです。

同協会は「信頼できる眼鏡技術者」として、「眼鏡士」資格を有する者を認定しており、その認定を受けたものはいま全国で数千名います。

ほとんどの認定眼鏡士はまじめに職務に就いているのですが、なかには、売り上げ数字を追うあまり、眼鏡やサングラスの通販に手を染める人も出てきました。

同協会は、過去に2度にわたって眼鏡公正広告協会からの通販に関する公開質問をうけたにもかかわらず、返答をしなかったのですが、最近ある会員からの問い合わせに応えて、2006年8月に協会のホームページに、通販は好ましくないという見解を発表しました。http://www.megane-joa.or.jp/

これは「一歩前進」ですが、個々の通販眼鏡士に対する注意や警告などには取り組む方針は見えていませんし、そのことを問い合わせても返事が来ない状況です。

下記に、認定眼鏡士の一人である、京都の保田光政氏が、2006.8.24に、協会にあてて送ったメールを紹介します。



(社)日本眼鏡技術者協会 御中

拝啓
ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

早速ですが、貴協会のHP上での通販についての見解を拝見し、一協会員として、意見を述べさせていただきます。

通販により販売されたメガネ・サングラスは、どちらも重要な要素である「フィッティング調整」を放棄した形での販売であり、それにより購入者が困ったり、フィッティングを持ち込まれた店が困惑したりすることになる蓋然性が高く、サングラスやメガネの通販は、購入者または他店の困惑や迷惑を前提として成り立っているという側面があります。

フィッティングを為し得ないメガネ・サングラスはその商品の特性上、未完成品です。まして矯正枠であればなおさらです。

メガネという商品の特性は、通常の物品販売される商品とは異なります。販売店においては、商品のみならず、接客、コンサルティング、検眼、加工、フィッティング、アーフターケア、それらのすべてが揃って初めて完成品となります。

通販でサングラスやメガネを売ることは、もちろん違法行為ではありません。
しかし、それは商業倫理的に望ましい販売行為であるとはいえません。

通販を容認することは、そのような真面目な小売店そのものを否定することにつながります。

ところが誠に残念なことに、これらのことにきちんと対処しておられる業界団体は、非常に少ないと言わざるをえません。

今回、貴協会が通販についての見解を示されたという点では、これまで黙認していた状況からすれば、少しは前進したといえるでしょう。

しかし、この見解の内容は言わば当たり前のことであり、改めて言明するほどのことではないのです。

HP上で消費者にこれらのことを理解してもらい、良識と責任を持った眼鏡店と認定眼鏡士を選別していただくことよりも、まず自らが自浄作用を働かせることが先決だと思われます。
現場においては、上記のような問題は、日々どこかで起きているのです。

また、現在認定眼鏡士でありながら通販を行っている店が、この文面を読んで自主的に通販を自粛する訳がないのです。
建前だけの話であれば、何の効果も望めません。
貴協会が認定する眼鏡士であるのなら、認定眼鏡士の看板を利用して通販をしている個々の眼鏡士に対して何らかの注意を促すなり、警告を発することが必要でしょう。

また、悪質な場合はその資格を剥奪することも考えるべきでしょう。

「認定眼鏡士」資格を発行する『社団法人 日本眼鏡技術者協会』がやらずに誰がやるのでしょう?
資格を与える側の責任も大きいのではないでしょうか?

貴協会が、率先して対処すべき問題であると思います。

認定眼鏡士の倫理綱領にも次の通りあります。



1.認定眼鏡士は、常に生活者の視力の保護を第一義に考えて行動する。

2.認定眼鏡士は、生活者により良いビジョンケアを提供するため、可能な限りの配慮と努力を尽くす。

3.認定眼鏡者は、生活者が最先端の技術レベルによるビジョンケアを受けられるために、絶えず自己の教育、技術レベルの向上に努める。

以下に続く


以上、一協会員として貴協会に望むものです。
末筆ながら、ますますのご発展をお祈りいたします。
                           敬具
         (社)日本眼鏡技術者協会  京都支部  眼鏡士 保田 光政
                         京都市伏見区平野町55番地

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