強度近視メガネフレームを通信販売?


強度近視メガネフレーム、通信販売の要注意点とは

強度近視のメガネだけではなく、
メガネの通信販売の全てにいえることですが、
フレーム調整や度付きレンズがあるために、他の業種よりも返品が難しい、
「メガネの通販」の問題点を述べてみます。

まずは「フレーム調整」、
メガネフレームのウデなど各部分を変えて
お客様のお顔にピッタリとフィットさせる
「フィッテイング」という作業についての問題があります。(問題1)

次に、メガネフレーム選びで、
きちんとお顔の大きさとバランスが取れているフレームを、
本当に通販でうまく注文ができるのか、という問題があります。(問題2)

さらに、
度数のデータを送っての、
今使っているメガネと同じ度数でのメガネ作成や、
眼科の処方箋を送っての、
メガネ作成の、「度付きメガネの通販」のより大きな問題点があります。(問題3)

強度用メガネの通販は特に要注意

3つのポイントとは

1.フィッティングなしで大丈夫なのか?

通販の場合は当然ですが、
メガネを、お客様のお顔からズレないようにピタッと形を変えてそわせる作業、
すなわち「フィッティング」はありません。

実は、強度のレンズを入れると、
少しのフィッティングの変化により見え方がかなり変わるのです。

たとえば、装用距離
(頂間距離とも言います。レンズの内側から黒目の頂点までの距離です)
が2〜3ミリ変わるだけでも視力に影響します。

実は、
まつ毛がレンズ裏につく寸前まで、顔に近くフィッティングしたメガネ、
これはある程度、度数をゆるくして作れるのです。

そしてワクが狭いことによる視野の狭さもカバーできます。
ただ、これはかなり高等なテクニックです。

さらに、
正面から見て「右下がり」や「左下がり」の状態になっていると、
「光学的上斜位」が生じて眼精疲労を呼びやすい
(要は、度付きレンズには光学的な中心点というものがあり、
目の中心とレンズの中心が大きくズレて見え方がやや変になる)

というわけです。

処方箋により度付きにして販売した場合は当然、
通販であってもなくても、それらの点でのトラブル発生の可能性が高いのですが、
メガネワクだけでの通販でも、
「フィッティング」という、重要なサービスを抜きにして売ってしまう業者は、
そのメガネを定価で販売するのはおかしいのではないかと、私などは思ってしまいます。

フィッティング作業の大変さときたら……
ちゃんとした技術を持つ眼鏡店は
次のような手間をかけているのです。

当店で、一式お作りする眼鏡を調整する手順は次のとおりです。

手順1.
ワクにレンズを入れる前に1度、念入りなフィッティングをする。
その後、レンズを入れた後にも2度目の仕上げ確認のフィッテイングをします。

まず1度目はお客さまのお顔にメガネを掛けてみて……

手順2.
メガネを外し、メガネの腕の先まで伸びているプラスチックを、
ヒーターで温めてフニャフニャにして、柔らかくなったところを曲げて、
1度まっすぐに伸ばす。

手順3.
お客さまの耳までの位置に合わせて腕を曲げ、
さらに「眼鏡の9カ所の部分」の様子を確認し、微調整をする。

手順4.
万一フィッティングしていてワクが壊れてしまった場合、
もう一度同じワクを取り寄せる。費用はもちろん調整者が持つ。


注・他店で買って、当店に持ち込まれたメガネワクの場合、壊れたときの補償はできません。
そのときは、そのフレームはあきらめていただくしかありません。
よっぽどワクを買ったメガネ店が信用できないか、そのお店に行けないときだけ、他店に持ち込むようにしましょう。


2.メガネフレームの通販に関して

メガネの通販の場合には、
大きく分けてメガネフレームのみの販売と、
レンズも入れての販売とに分かれますが、それぞれに問題点があります。

メガネフレームのみを販売する場合には、
いま述べたフィッティングの問題の他に、度数がわからないのに、
あるいは、顔の大きさやタイプも分からないのに、
はたして本当にそのサイズやその構造のものでよいのか。

それを確認しないままでの販売になってしまうということです。

まず、そのフレームのワクに入れるレンズの度数が相当に強ければ、
大きめのワクではレンズが非常に分厚くなってしまってかっこう悪くてダメ、
ということがあります。

最近では強度薄型のレンズもいろいろ出ていますが、
それでもやはり小さめのワクの方がレンズは薄く軽くなるものです。

それから、
度数は特に強くないというのであれば、
枠の大きさとレンズの厚みに関してはさほど留意しなくてもよいのですが、
顔の大きさ(横幅)とワクの大きさ(横幅)とのバランスがよいかどうかという問題が残ります。

仮にワクの玉型サイズである程度分かるとしても、
鼻幅(左右のフチの間隔)が変わると全体の横幅も変わりますし、
天地サイズ(レンズの上下幅)が違うとやはり大きさの感じが変わって見えます。

そして、
ウデの長さが長すぎたり短すぎたりしないかどうかというチェックも、
通販ではできません。

通販で買ってみて、
単に想像していたのと感じが違う、ということでしたら、返品もできるのでしょうが、
どこかのメガネ屋さんでレンズを入れてもらってフレームのフィッティングもやってもらって、
いろいろにやってみた結果、やはりうまく行かない、というのであれば、
枠も初めの状態から変形してますから、返品もきかないでしょうし、
第一レンズだけ残ってもしかたがありません。

以上のようなことで、
フレームのみの通販も、メガネ店でいろいろ確認してから買う場合よりも、
リスクは大きいと私は思います。

3.度付きレンズを入れての販売なら?

自分が現在使っているメガネの度数を通販業者に送るとか、
あるいは眼科で眼鏡処方箋を発行してもらって、それを業者に送るという方式で
度付きのメガネも通販で買える場合があります。

自分のメガネの度数のデータを送る場合、たまに生じることですが、
同じ度数でもワクが変わると見え方が違ってくることがあるということです。
またレンズの種類が変わることによる見え方の違いが生じることもあります。

それらは主として、

A.レンズの前への傾きや上から見たそりの角度、

B.目玉からとレンズまでの距離
  (頂間距離とか、装用距離とか言います)、

C.レンズの大きさ、

D.レンズのカーブ
  (表面の丸み)


などの違いによって生じるのですが、
事前の予測は非常に難しく、作られたメガネをかけてみて初めてわかるものです。

通販ではなく、
実際に、メガネ店で前のメガネの度数を調べて
(あるいは、眼鏡店の記録を見て)
同じ度数で新たにメガネを作る場合にも同様のリスクはあるのですが、
その場合には事前に何らかのチェックが可能ですし、
そういうことが起こって相談をもちこまれたら、
その原因を探って適切な対処が可能なことが多いわけです。

しかし、通販ではそういうことは無理でしょう。

また、眼科処方箋で作る場合には、
できたメガネで見え方が思わしくない場合に、眼科へ行ってもラチがあかないことがよくあります。

仮に眼科でその原因がわかって、再処方してくれた場合は、また検査料が必要ですし、
レンズ代も本人の負担となってしまいます。

中には、
そういう場合のレンズ代は業者が負担するということにしている通販もあるかもしれませんが、
その眼科による再処方の度数で今度はうまくいく、とはかぎりません。

眼科は、眼鏡疾患に診療が主体で眼鏡処方は得意ではないのです。

弱視とか、
調節まひ剤を用いてこそ可能な検眼によるものとかの、
特殊な医療としてのメガネ以外の眼鏡処方は、ウデのよいメガネ店の方が一日の長があります。

ところがメガネ店では、
自店でメガネを作らせてもらうことを前提とした眼鏡処方しかしませんので、
単に眼鏡処方だけを請け負うということはまずありません。

そういうことで、
度付きのメガネを通販で買うことについても、
やはりメガネ店で普通に度付きメガネを買う場合よりも、リスクは増えると私は思うのです。

ただし私は、
メガネのワクのみや度付きでの通販が、必ずに失敗に終わると言いたいのではないので、
そこのところは誤解がないようにお願いします。

少しこのページと内容は重複しますが、よりくわしくは、

メガネの通信販売について

もご参考になさってください。

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強度近視メガネフレームの勘違い

強度近視のメガネは、
「厚いレンズの横面の白いところ」
ができるだけ見えないものが良い……

それはもちろんなのですが、
大切なのはそれだけではありません。

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