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みなさんに 岡本
みなさんのお店でもおそらく同様だと思うのですが、
当店では最近、10Dを越える超強度の人が多くなってきています。
そうなると、下記のようなことに留意が必要です。
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1)角膜頂点間距離
検眼のときに度数を決定したときの頂間距離と、
実際の装用眼鏡での頂間距離が違う場合には、
度数の修正が必要ですので、
度数決定のときに、一応カルテに、処方度数を書いたときに、
そのときの頂間距離をしっかりと見て覚えておいて、
あとで、実際の矯正枠でフィッティングしたときに
度数決定のときと頂間距離が違う場合には、
処方度数(調製度数)を換えないといけません。
ですので、カルテには、シャープペンか、
パイロットの消せるボールペンで処方度数を書き入れて
あとで訂正したいときには、それを消して新たに度数を
書き入れるのがよいわけです。
その場合の修正度数については
△D=D×D×h÷1000 で 暗算(あるいは電卓計算)します。
たとえば、13Dで3ミリ違ったのなら
変化D値 = 13 × 13 × 3 ÷ 1000 = 約 0.5
となって、0.5Dの修正がいるわけです。
すなわち、検眼で度数を決めたときの頂間距離が13ミリで
そのときの処方度数が13Dとして、
実際の装用距離が10ミリなら、
修正処方度数は12.5Dとなるわけです。
11 の二乗は 121 約120
12 144 約140
13 169 約170
14 196 約200
15 225 約230
このくらいは覚えておきましょう。
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2)遠近両用にしなくても
10Dを越えるような近視の人の場合、
老視が来ていても、
・調節効果と
・頂間距離を少し長めにすること
により、パソコンや手許の本などが
けっこう見やすくなるということを説明して
試してもらうのがよいです。
それで、遠近両用のレンズにせずとも
用がたりるのなら、その方がレンズ価格も安くてすむし、
天地の浅めのウスカル枠でもよいので
枠の選択肢が広くなります。
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3)枠のお勧めのとき
超強度の場合のウスカル枠としては
当然ながら36ミリの玉型サイズで作って
できるだけ薄いメガネを提供したいわけです。
ですので、
まず、PDに合ったシンメトリーをかけてみて
それでOKなら、シンメトリーを第一候補としますが、
これよりも少し厚くなりますが、ということで
玉型サイズが38や40くらいのウスカル枠を
お見せするのもよいと思います。
しかし、
シンメトリーや普通のウスカル枠では顔の幅に比べて小さすぎておかしい
ということであれば、穴空き型で36で作ることを狙います。
たとえば、PD(OCD)が58であれば、
鼻幅22のディアネス2かオベリスで、ちょうど36ミリでできます。
ではPDが64ならどうでしょうか。
パラボラスなら、ばっちり36でできます。
プラグナーなら、38で作ることになるので
レンズはパラボラスよりも厚くなってしまいます。
メダなら、40になりますので、さらに厚くなります。
オベリスやディアネスなら、42で作ることになりますから
さらにさらに厚くなります。
こういう場合、プラグナーやメダ、オベリスなどを見せてもよいのですが、
レンズの厚みの件は、厚みの実物見本を見せて、どれにするのかを
決めてもらわないといけません。
穴空き枠のサイズによって
厚みが変るということ言わずに、たとえばPD64の人に、
穴空き枠をいろいろお見せする、というのは
親切とは言えません。
もしも、PD66なら、36ミリで作るには、フォートレスで決まりですね。
PD68なら、フォートレスで38で作るか、それとも、
ガイウスかウスカリズムで、玉型40で作るか・・・・・
というところですね。
PD70なら、フォートレスで40か、
クラルテで40ですね。
* ただし、これらは、あくまでも超強度でレンズを極力薄くしたい
というときのことであり、
10D未満であれば、枠の選択肢はもう少し幅広くなります。
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4)お渡しのときに
超強度近視になると、メガネがわずかに左右に傾いただけでも、
上下プリズム誤差による眼精疲労の恐れが出てきますので、
そのことを必ず説明し、
「毎日鏡で見ていただいて、このように、(と、自分が
かけているメガネで実演する)少しでも左右の傾きが
出たら、調整にお持ちください」
と言っておきます。
老視のある人の場合には、お渡しのときにもう一度
頂間距離の違いによる明視域の違いを確認してもらうのがよいです。
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岡本さんへ 畔柳です
「10Dを越える眼」 参考になりました。
1)角膜頂点間距離
今まで、修正がアバウトでした。表を作ります。
4)お渡しのときに
左右の傾き、の上下プリズム。
頂間距離の違いによる明視域の違い。
納品時に
コの字テストと近用チャートで体感して頂こうと思います。
岡本
10DならVD1mm違いで0.1Dの矯正効果の差、
というのは、みなさんすでにご存じでしょう。
それを元にして、
VD1mmの差による矯正効果の差は
およそのところで
7Dなら 0.05D
8D 0.06D
9D 0.08
10D 0.1D
11 0.12
12 0.14
13 0.17
14 0.2
15 0.23
というふうになりますから
8Dなら4ミリ違うと、0.25D
10Dなら5ミリ違うと、0.5D
15Dなら2ミリ違いでも、0.5D
と覚えておくのがよいでしょう。
それと、左右の傾きに関しては、10Dを越える人だと、
わざわざコの字テストなどを見せなくとも、
メガネの左右レンズを上下に2〜3ミリ傾けただけで、ものが二つ見えてしまいますから、
それを実感していただいてから、
「わずかに1mmかたむくだけでも、これの少し程度の弱いことが
おこって、眼精疲労になりますので、毎日鏡で見てチェックしてくださいね」
と言っておきます。
それと、
超強度近視の検眼のときの注意点をもう一つ加えておきます。
検眼のときに、たとえば、前眼鏡よりも
今回処方候補度数が0.50D前後くらい度を強くしたとき
などに、お客様の前眼鏡そのものと、
検眼枠に入った今回の処方候補度数とを交互にかけてもらい、
前のメガネよりも今回の方がかなりはっきり見えるということを
確認してもらう、ということを我々はよくやります。
ところが、超強度のときに、うっかりそれをやりますと、
頂間距離の関係で、
(度が緩いほうの)「前の眼鏡の方が視力表がはっきり見えます」などと言われて、
ばつの悪いことになったりします。
ですので、超強度の近視の人の検眼でそういう比較をやりたいときには、
検眼枠での頂間距離と前眼鏡での頂間距離においてどちらが短いかを観察して、
もし前眼鏡のほうがたとえ1ミリでも短いのであれば
そういう比較はしないのが賢明なわけです。
もし、どうしても、前眼鏡度数と今回の処方候補度数との
比較を見てもらいたければ、下記の二つの方法のうちのどちらかにすべきです。
1)前のメガネをかけてもらい、その上に検眼レンズで、
度数が増える分だけ足して、
足したレンズがあるとき、と、ないとき、とを比べて見てもらう。
2)検眼枠に入れた検眼レンズで、二通りの見え方の比較をしてもらう。
(この場合は、瞬間的な相互比較は無理)
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