(社)日本眼鏡技術者協会・津田節哉会長様


(社)日本眼鏡技術者協会・津田節哉会長様

              2009.8.25     メガネ通販110番  岡本隆博



貴協会のHPに下記の文章があります。

      http://www.megane-joa.or.jp/ (2009.8.25現在)

            ●

 『認定眼鏡士が、眼鏡の通信販売・ネット販売を行っていることが判明した場合、
本人に警告書を送付して、なお、改善されない場合は資格を取り消す事にする。』
ことが取り決められました。
 認定眼鏡士の皆様は
「眼鏡の通信販売・ネット販売」
を行わないよう注意下さい。

            ●

私はこのことに全面的に賛意を表します。
これまでに私は、通販をしている眼鏡士にネットを通じて公開質問を行なってまいりました。

たとえば、
認定眼鏡士が経営する店のホームページのトップページには
通販はしていないような表示にしてあり、
中に入ると通販をしている旨が判明するというものや、
認定眼鏡士が経営する店が、
まったく名前を変えて通販専門のサイトを運営していたという例もありますが、
それらについては、当方から公開質問をしておきました。
それらは当方のサイトの最近の記事にてご覧いただけます。

            ●

そして、
貴協会では認定眼鏡士に対しては通販を行わないように警告を出し、
改善がなければ除名の対象にしておられるとのことですが、
規制の対象となる認定眼鏡士は
「通販を行っている店舗にいる認定眼鏡士は全員
(すなわち、店の経営者や代表者以外の眼鏡士も規制の対象とする)」
であると聞いております。

また、度なしのサングラスを規制の対象とはなさらないと聞いております。

眼鏡士個人と通販店との関係で、一番わかりやすいのは、
あるメガネの企業のネットサイトにメガネの通販があり、
そこの経営者や社員が認定眼鏡士であったという場合で、
その場合は当然、その会社の認定眼鏡士は皆が警告や除名の対象になるはずです。

そこでおたずねします。

(1)ある企業に、その代表者(経営者)またはそれ以外の認定眼鏡士がいて、
その企業が、実店舗とは別にネットで通販サイトを
実店舗とまったく同じ経営資本のもとに運営していて、
そこのサイトには責任者の名前としては認定眼鏡士は出ていない、
という場合であれば、
その企業に在籍の認定眼鏡士は、すべて警告や除名の対象となるのでしょうか。

(2)メガネのみ、あるいはメガネを含む通販専門のサイトを運営している企業に
認定眼鏡士がいる場合に、その企業に在籍の認定眼鏡士はすべて警告や除名の対象になるのでしょうか。

(3)ある企業で、その代表者(経営者)が認定眼鏡士であったり、
あるいは社員に認定眼鏡士がいて、
その企業が、実店舗とは別に通販サイトを専門または副業にする別会社を作って
(形式上の資本は元の会社とは別)、
そこの経営者(通販責任者)としてその元の会社の経営者や認定眼鏡士の家族などの、
認定眼鏡士ではない人間を据えて、
その通販サイトの責任者の名前としては認定眼鏡士は出てきていない、
という場合であれば、その元企業に在籍の認定眼鏡士は、
すべて警告や除名の対象となるのでしょうか。



このたびの通販規制においては
度なしのサングラスの通販は対象外だそうですが、
たとえ度なしであっても、やはり、
専門家としてのコンサルティングセールスやフィッティングなどを元から放棄し、
枠の調整などで他店に迷惑を掛けるおそれもたぶんにある無責任な販売方法なのですが、

(4)なぜ度無しのサングラスは、
今回の規制の対象に入れておられないのでしょうか。

(5)私の勝手な推測ですが、
認定眼鏡士を大勢抱える小売企業が度なしのサングラスの通販をしており、
そこに注意をしてもそれをやめない場合に、
その企業の認定眼鏡士を一挙に失うことになる、ということを避けるために、
度なしサングラスを規制から外した、ということはないのでしょうか。


なお、度なしサングラスを規制から外すと、
枠に、薄いカラーつきのレンズを入れて、
サングラスのように見せかけて通販をするという抜け道があると思います。
また、レンズの濃度がどの程度からの場合をサングラスと見なすのかという問題も生じてきます。
また、アンカットレンズのみの通販も実際に行われています。


(6)ですので、枠のみ、度つきレンズ入り、度なしレンズ入り、度なしレンズのみ、度つきレンズのみ、
それらすべての通販を規制の対象にすべきではないでしょうか。


最近通販で買ったとおぼしき新品のメガネやサングラスを持参されて
フィッティング調整だけを依頼されるケースが増えてきました。

その場合、材質など不明のものもあって
調整作業による破損のおそれもなくはないし、
第一、自店で販売したものではない商品に対する初期ケアーを
なぜ自店でしなければならないのかということがあります。

しかし、だからといって調整を断ると
「あの店はサービスが悪い」という噂を立てられると、
狭い地域社会では困るので、断りにくくて苦慮しているということも聞きます。

協会が「他店購入の新しいメガネに対する調整について」という見解を示して、
それを文書にして認定眼鏡店に配布し、協会のHPにもその見解を明記しておいたいただくと、
認定眼鏡士はそういうお客さんには、その見解を示して、
自店に委ねられるいわれのない調整を断りやすくなりますし、
断ることによって、そのお客さんが次にまたメガネの通販を利用することへの予防にもなります。


(7)ですので、「他店購入メガネの調整について」という見解や指針を、
協会のHPなどで示していただければよいかと思いますが、いかがでしょうか。

それから2ヶ月ほど経って、協会側から回答が来ました。

                               平成21年10月26日

岡本隆博 様

                             (社)日本眼鏡技術者協会

                              会長  津田 節@ 

                    眼鏡の通信・ネット販売審査委員会

                  委員長      中島 順二郎

前略 8月25日付けの貴兄からの公開質問について下記の通り回答申し上げます。

                記

1)について 別店舗名での通販・ネット販売店と認定眼鏡士との関連が判明すれば、

       その認定眼鏡士は警告・除名の対象となる。

2)について すべて対象になる。

3)について 1)と同様。

4)について サングラスは業界内にとどまらず広く流通している商品であるため、

       対象外とする。

5)について 4)と同様。

6)について 現在のところ度付眼鏡・度付きサングラスのみとしている。

7)について 「他店で購入された眼鏡への型直し・レンズ交換・パーツ交換等の

        再調整作業は、そのフレーム・レンズの材質や当初の店舗での

        調製方法が明確ではないため、持ち込まれた店舗の責任の範囲では

        充分な作業が出来ません。それでも調整を希望される場合は、

        あくまで応急措置ととらえていただき、最低限度の作業とさせていただきます。

        最終調整は当初の販売店へご依頼くださるようお勧めします。」

        7)について以上の文をHPに掲載予定。

                                   以 上。

この回答に対して、私は、
即日返事を出して、追加の質問をしました。

(社)日本眼鏡技術者協会
津田節哉様 中島順二郎様

      2009.10.26         メガネ通販110番  岡本隆博

当方からの質問に対して、ご回答をいただき、
有り難うございました。

いただきましたご回答の中で
私には納得がいかない点がありますので、
さらにおたずねします。

4)について
度なしのサングラスは他業界でも取り扱っているから通販の規制の対象にしない、
ということですが、他業界でも取り扱っているという事実が
なぜ認定眼鏡士が通販をしてもよいことの理由になるのでしょうか。(質問8)

4)でお答えいただいた理由が正当であるなら、
矯正枠も、「眼鏡士が居る店に限らず、業界内で
広く通販の対象になっているので」という理由で、
眼鏡士も通販をしていいことになるのではありませんか。(質問9)

他業界で、あるいは認定眼鏡士以外のメガネ屋が、
メガネやサングラスをどういう売り方をしていようが、
そこまでは協会の強制力は
及びませんから、いたしかたがないものとして、
認定眼鏡士であれば、強い光や粉塵などから目を保護する
ところの、サングラスについて、個人に対応して
そのレンズの濃さや色合いの違いによる機能性の説明をしたり
それを具合良く掛けるためのフィッティングもしたりして販売するべきなのは
自明ですから、当然、それも通販の規制の対象とすべきなのではないでしょうか。(質問10)

サングラスの通販は、結果の善し悪しにかかわらず、
「掛け心地も自分は知りません、レンズの色の感じ方も、
自分は関知しません」という、いわば無責任宣言つきの販売方法ですよね。
認定眼鏡士がそんな無責任なことをしてよいのですか?(質問11)


それから7)に対するご回答ですが、
「応急措置で最低限度の作業」としておられますが、
私が今回お尋ねしたのは、私の前回の質問に「初期ケアー」と
書きましたように、不注意でものに当たってメガネをひどく曲げて
しまって全く掛けられないというようなケースではありません。

そういう場合には、購入店が近隣になければ、
人道的な見地からしても、
自店で一応かけられる程度の応急措置をして差し上げるのが当然です。
(もちろん、調整作業による破損の可能性については承諾を得てからの
作業になりますが)

ここで私が問題にしているのは、そういう場合の調整ではなく、
通常の使用における不具合に対するフィッティングに関するものです。

ですので、貴殿からのご回答における「応急措置」というのは当たりません。

要するに、通販や他店購入のメガネやサングラスの「初期フィッティング」や
「通常のフィッティング」を、我々がすべきなのかどうか、
ということを、私はお尋ねしているのです。
どうなのでしょうか。(質問12)

我々がそれをすると、通販で枠やサングラスを売る店、
あるいは、店売りでも枠やサングラスをさぼって販売する
無責任な店の応援になってしまうと思われませんか。(質問13)

終わりに、もう一つおたずねします。
貴協会では、通販をする認定眼鏡士の監視について、
他者からの報告に頼っておられるのでしょうか。

それとも、制度的にそれを見つける方策を実行して
おられるのでしょうか。
もし、実行しておられるのでしたら、
誰が、どういう頻度で、どういう方法で、
それを実行しておられるのかを具体的に教えていただきたいと
思います。(質問14)

それと、最近、木方氏を通じて
私がご報告させていただいた認定眼鏡士の通販に関して、
その後まったく何もお聞かせいただいてないのですが、
なぜなのでしょうか?(質問15)
(それについては当方のHPにも、記載しています)


なお、この質疑応答のご回答のみを貴ホームページに載せられましても
読者には何のことだかわかりませんから、
私としては質疑応答のすべてを
貴ホームページに掲載していただくのがよいかと存じます。

当方では、貴殿からのご回答も、
そのまま掲載しますので。



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