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セルフレームについて
では今日は、セルフレームについていろいろと、
この私に書かせていただけましたら幸いです。

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プラスチック系樹脂で作られているメガネのことを、セルフレームと一般に呼びますが、
この呼び方はある意味では、ちょっとした間違いだったりします。


ある意味とは、‘理屈で言えば間違い’ということです。
理屈だけで言いますと、一般に言うセルフレームは本当は、
‘アセテートフレーム’とか、‘プラスチックフレーム’と、
呼ばなければいけないことになります。


ですが、私はむしろ率先して‘セルフレーム’という、
カッコイイ呼びかたのほうを広く世の中に広めていきたい!

と、それはいいとしまして、セルフレームのセルという言葉は、
『もともとのセルフレームの素材はセルロイド素材だったのですが、
ある時期からはアセテートという素材に取って代わられた』
という理由から来ています。


もとは、プラスチック樹脂系のメガネの素材として使われていた純セルロイドですが、
この純セルロイドをヤスリで削った場合、粉がとても危険で過去、
セルロイドフレーム工場で事故が多く起こったために徐々に、
安全なアセテートフレームが使われるようになっていったのでした。


噂によりますと、粉に静電気が触れると、それだけで着火して
大爆発を起こすのだそうです。福井の知人の話によりますとですが……
『昔はセルフレームといえば素材は、セルロイドでした。
ある日福井の工場でドリルでセルフレームに穴をあける作業をしていて、
つい眠くなってウトウトとしてしまったことがあったんです。そしてそのとき、
偶然にドリルの金属部が触れあって着火してしまったようで… 気がつくと……』


眉毛が全部飛んでなくなってしまったんですよ。
ほんの少しのセルロイドでもああなのですから、
床一面に積もった純セルロイドの粉の上で着火が起こってしまった場合、
どうなるかは予想がつきますよね?』


『昔のセルロイド眼鏡の工場には、天井に板が付いていなかったんです。
それは火柱が吹きあがったときに少しでも、
炎が下方向に逆流することを防ぐための工夫でした』

う〜む、昔のセルロイド眼鏡の工場って、
ノーロープ電流地雷監獄リング時限爆弾デスマッチのような施設だったんですね。


『昔のセルロイド眼鏡の工場は、かけなければいけない保険金が
他の素材の工場の3倍
でした。
それで、セルフレームの素材が純セルロイドからアセテートに代わると同時に
保険金の割合も、元に戻りましたからね』


ところで、純セルロイドにとって変わったアセテート素材ですが、
セルロイドと比べて、アセテート素材はすべての点で優れているかどうか。
ここは興味深いところです。

実を言いますと、アセテート素材よりもセルロイド素材の方が、
素材にしっとり感があり、もちもちしてそれでいてしつこくないぷりぷり感があって、
わかる人にはわかる高級感があるんですよね。


思うに、最近は昔の眼鏡のリバイバルブームということで、
純セルロイドを使用したメガネが復権してきていたりするのですが、
そうした純セル眼鏡を扱っているお店で、

純セルロイドのフレームのフィッティングをしようとヤスリで削ったりして、
万一静電気で着火してしまったとしたら…

純セルロイドの眼鏡をわざわざおこうというようなお店はオシャレ系のメガネのお店ですので、
そのオシャレ系のお店の加工場の中で火柱が噴くことになりますね…


ですが、そのおそれは実際には少なそうです。
だってオシャレ系のお店で純セルロイドのフレームを置いているお店で、
純セルのフレームを日常的に削って
加工場にセルロイドの粉が積もり積もっているようなお店

なんて業界に一件もありませんから。


本当に一件もないのか?
といいますと、もしちゃんとしたセルフレームのフィッティングをするお店であれば、
「このセルロイドは削ると危険ですので、
腕の根本を削ったりして大きく腕を広げたりする極端なフィッティングはできません。
ですので、純セルロイドのフレームをお選びになるときは、
ある程度お顔の大きさと合ったものをお選びください」
と言うか、最初から純セルロイドのフレームだけは置かないようにするか、どちらかになりますね。

日常的に純セルロイドフレームを削ってフィッティングするようなお店ならば、
加工場の掃除をこまめにするはずですし、
まあ小売店で大爆発というおそれはまずないと思います。

とにかく、セルロイドという素材は危険があるので、
アイトピアではアセテート素材を使ったセルフレームを中心に置いているというわけです。

ですが実のところ、アセテート素材にもピンからキリまで質の違いがありまして、
アイトピアのイチオシのセルフレーム(アセテートフレーム)では、
イタリアのマツケリー社のマガズィーノ(倉庫)から、
福井県の蔵(倉庫)に直送されて長年乾燥させた最上級のものだけを、
在庫確認した上で別作注文を出し、福井の工場の巨大な機械兵器による加工と、
職人さんの手作業… つまりハンドメイドの仕上げで完成したものを、
コストを度外視した価格で品揃えするようにしています。

というわけですので、別に純セルロイド素材にだわらずとも、
乾燥して水分を昇華させた、油分(ゆぶん)をふんだんに含ませた乾燥アセテートの
油脂成分特有の甘みと、芳醇にして豊かなる弾力性に富んだ、
すばらしき天然素材のハーモニーを存分に味わうことができ……


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