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さらなる先への道筋
(2007.1.29)
というわけで、アイトピアはすんでの所で経営の危機を脱し、
再びお客様に支持される眼鏡店になることができたのですが、
ここまでで、アイトピアのまわりの多くの眼鏡店が、お客様アップに伸び悩んで撤退していきました。
その中には昔ながらの眼鏡屋さんも入っていれば、今時の流行を意識したオシャレな眼鏡屋さんも入っていました。

*「他の、規模の小さな眼鏡店で、こういうやり方を取ったらうまくいかなかったっていう典型例みたいなのはあったの?」

はい、ありましたね。要は、『規模の小さなお店は、安売りをするとうまくいかない』ということが言えます。
2003年頃から、『5000円7000円9000円でメガネができる!』というスリープライスショップが日本中を席巻しましたが、
‘ゾフ’をはじめとするそれらスリープライスショップは、規模と資金力にモノを言わせてドンドン薄利多売の商品を出してきました。
で、それに対抗しようと小さなお店が、一生懸命値段を下げて戦おうとすると、
体力勝負になって最後はドロ沼に入り込んでしまうというケースが、まあけっこうあったのですよ。

*「そうだね、スリープライスという業態は、
メガネの‘目に見えないサービス’を極限まで省略してビジネスすることで成り立っている手法だものね。
そこはあくまで見えないところだから、一般の人から見たらスリープライスと普通の眼鏡屋さんのメガネは、
何がどう違うのかさっぱりわからないってことで…」

簡単に言いますと、メガネ業を営むには、次のような方法というか、事業の戦略があります。
1.値段を下げてサービスを省略する
2.値段を下げてサービスを維持する
3.値段を維持してサービスを維持する
4.値段を維持して、サービスを改良して強化する


*「スリープライスは1.の業態を手法として選んで…
そして、対抗しようとした眼鏡屋さんは2.の手法を取って…
あれ? 『値段を維持してサービスを省略する』っていうのは、入っていないの?」
それは単なるサボリというか、職務怠慢の眼鏡屋さんですから、
それをやるといずれお客さんにもそれが分かって、長い目で見ると損をするでしょうね。

それでアイトピアは、これまで3.の手法をとっていたわけですが、
時代の変化に対応するために4.の手法を試行錯誤し、
“強度近視要メガネ”や“大きいメガネ”や“パソコン用メガネ”などをネットで、
全国に情報発信して優良店を紹介するシステムをとるという、他にない業態のお店に生まれ変わることで、
うまく時代の波を引き戻すことに成功したと、こういうことが言えるのでしょうね。

*「ふむふむ、そこで『値段を下げて、サービスを改良して強化する』ということは、できないものなの?」
それは無理があると思いますね。そもそも値段を下げているということは、
「値段さえ下げれば売れるはずだ!」という観念にとらわれているということですから…
ギリギリまで値段を下げてしまった眼鏡店には必ず、あるひとつの困ったことが起きるのです。

『新しいサービスを考え出して、勝負をかけてみたい、というアイデアを考えついたとしても、
それを実行するための必要経費が出せない』という、非常に困ったことが…。
*「もうそのときには、出資がギリギリだから、新しいサービスを付加する余裕がなくなっちゃうってわけだね」

そうですね。この成熟した経済の時代、お客様に満足していただけるモノを作って販売するためには、
メガネそのものの価値だけに頼っていてはいけないのです。
「新たな付加価値」を考え出して、魅力的な商品として再構成するということを行わなければいけないのですよ。
*「『新たな付加価値』をつける、っていうけど、具体的には、どういうこと?」

たとえば当店アイトピアの人気品目の、『強度近視用メガネ』などがわかりやすい例ですね。
ちょっと特殊なカタチのメガネフレームを探し出すなり、
メーカーさんに頼んで開発してもらうなりして、コーナー展開をすることで、
「強度近視でレンズを薄くして作りたい」
というやむにやまれぬニーズを持つ人びとに、強くアピールをすることができたのです。
この強度近視用メガネ、名付けて『ウスカルメガネ』の存在を知ってしまった人は、もういてもたってもいられなくなり、
急いで当店アイトピアやウスカル会に入っている眼鏡店の門を叩かれることになるのです。

★詳しくは『強度近視メガネフレームの販売店はここ!』をどうぞ

*「うむ、同じメガネでも、これまでに市場になかった価値、
『強度近視の人のメガネが薄く軽くなる!』という圧倒的なメリットを、
商品として提案したというわけなのか」
そうなのです。
この場合、アイトピアがウスカルメガネというものをオススメするということは、メガネを販売しているというよりも、
『もうこれからは、厚いメガネのレンスをさほど気にしなくてもよくなる!』というニーズに答えるモノをオススメしているということなのです。
ですので、他のメガネのお店さんとは全く違うものをアイトピアはお売りしているということになり、
結果的には価格を無理矢理に下げて競争をしにいく必要もなくなるわけですね。
もちろん、その価格の分はきちんと、『目に見えないサービス』のほうにたっぷりと手間暇かけて還元することができるのです。

*「他のお店と同じ『メガネ』を販売していると、量販店さんとの価格競争にも対応しないといけないしね」
そうですね。西暦2000年頃からはオシャレメガネのブームが始まってきましたが、
そういったオシャレメガネを扱うお店にしたところで、同じような業態のお店が増えてきますと、
やはり価格競争に巻きこまれかねないことになります。

*「オシャレなメガネをもっぱら取り扱うお店には、経営上の問題点というか、悩まされるポイントというのはないの?」
オシャレメガネのお店… いわゆるメガネのコンセプトショップというか、
セレクトショップを困らせる問題点といいますと、次のようなものでしょうか。

1.同じ業態のセレクトショップが同じ地域で増えてきた場合、激しい競争が起こり、
お客様争奪戦に突入していく。
2.メガネをオシャレで売る場合、‘普通の見た目のメガネ’を店頭に置きにくくなるため、
老眼対応のメガネフレームを探す人などをお客様にできにくくなる。
3.オシャレメガネをデザインして出すメーカーは毎年、趣向を変えたモデルを新しくリリースする。
なので前の年のモデルが余ると困るので、セールに出してでも売り切ってしまわければいけない。

*「そんないっぺんに出されたら、わけわかんないよ」
まあ、これらにつきましては、また項を改めるとしまして、問題はアイトピアの今後の行く末を考えるということにあるのですよ。
オシャレなメガネのセレクトショップという業態には実は、弱点も多いために、
アイトピアはこういったスタイルのお店への脱皮を検討しつつも、常に変化には二の足を踏み続けてきたのです。

*「いまのアイトピアは、いわゆる‘オシャレなメガネのお店’ではないの?」
え〜と、品揃えを選んでおりますのが一応、このオシャレ研究家にしてビジネス研究家のこの岡本真行ですので、
けっこうオシャレなメガネフレームは店頭にポツポツと並べてあります。
品揃えだけならば、そんじょそこらのオシャレメガネショップとも互角だといえましょう。
しかしアイトピアは現時点では、いわゆる‘オシャレなコンセプトのメガネセレクトショップ’とはいえないと思います。

*「????」
私がここで言う意味での‘オシャレなお店’というのは、『オシャレをいちばんの売りにしているお店』という意味ですから。
オシャレ以外の要素を相当に削り落として洗練させた会社のイメージを持つメガネ店のことを、
メガネのセレクトショップと呼ぶのだと思うんですよね。

*「アイトピアはたしか、『技術が第一』の眼鏡店で、しかも、『あらゆるサイズのメガネを置いているところが魅力』だったよね。
いまはオシャレよりも、機能面での訴求に第一に応えられるようにしているっていう意味では、
オシャレが売りのお店というよりは『技術と気配りが第一の眼鏡店』っていうことなのか。
まあたしかに、‘強度近視’に‘大きいメガネ’に‘子供用メガネ各種’に‘パソコンメガネ’に‘深視力メガネ’まで用意している技術屋肌のメガネ店だと、
“洗練されてる”ってイメージではないような…」
もしアイトピアがオシャレを訴求するメガネ店になるという場合には、
まず店内からオシャレ度の高いメガネだけを残して、それ以外のメガネを見えないところに直してしまうことから始めなければなりません。
あと内装も一気に工事して、入れ替える必要があるように感じますし… ブツブツ

*「アイトピアも、そういった洗練されたオシャレメガネのお店への変身を検討していたのか……」
まあ今後もしかしたら、というレベルでのお話にすぎないのですがね。
それではこの項はこのくらいにしておきまして、
続きは今後のこのサイトの、『A.おもしろビジネス』のコーナーの続編にて書いていくことにいたしましょう。

*「それにしても、今回分も文章が長くなったな… ここまで読んでる人いるのかな… 心配だ……」

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