そのコーナーに属する話題のお話をさせていただきましょう。
＊「それにしても、早くもタイトル負け決定…。
（メガネ界への挑戦ってなんだよ、言葉が大げさすぎるよ。K-1の選手紹介のテロップ文と同じくらい大げさだよ）
いくらサイトが始まったばかりで、書きたいことのネタはたっぷりあるといってもね」
そう、書きたいことの話題だけにはこと欠かず、豊富に揃っているのですよ。
ご期待通りの大げさなNGワードを交えまして、今より少し以前のお話から、回想を交えつつお話ししてまいりましょう。
2006.8.中旬頃、私は福井県に武者修行の旅に出かけました。
＊「うわー！ 武者修行って何!? 禅問答でもやってたのか？」
いいえ、メタルフレーム眼鏡の手作り講習です。
＊「それ、修行ってほどのことなの？」
無論。まさしく修行と呼ぶにふさわしい、ヤットコ曲げ曲げイライラゲームに興じた一日でした。
だんだんと手は固まり、足は痙攣し、体は悦びにふるえ武者震いに包まれていきます。
＊「それ武者震いじゃなくて、神経衰弱かなにかじゃないの？」
何が起こっても変じゃない、負傷者続出、下克上の生き残りをかけた一戦の果てに待っていたものは…
＊「もういいから、さっさと話すすめて…」
要するに私は、知人である研究会の会員さんの営む、福井県の眼鏡工場の手引きで、
メタルフレームの手作りフレームの修行に行ってきたということなのですが……
朝早くに起きた私は、大阪から福井県、鯖江駅にまで行ってそこから知人の工場までタクシーで移動。
駅員さんやタクシーの運転手さんによりますと、
「鯖江では車がないと移動なんてできたもんじゃない」とのこと。
＊「鯖江って、広いんだね。工場も大きくて設備も充実してそうだし」
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メタルフレームを黙々と形作っていく武者達
実は私がそこに行った日は、メタル教室の当日の一日前でした。
一日目はアイトピアオリジナルのフレームを作る計画の打ち合わせを某工場と行い、
その日は知人に紹介をいただいた旅館に泊まり、メタル教室の日程は次の日の朝からのことでした。
＊「朝からはじめたのか。一日かけないと完成しないほどの過密スケジュールなわけか、メタル教室というのは」
なにしろメタルフレームの手作り教室は今回がはじめて。
2002年頃から、業界人向けのセルフレーム手作り教室は何度か行われており、
私も一度行ったことがあったのですが、メタルの手作りはセルと比べてもあまりに難しく、
これまで教室を開くことができなかったといういわくつきの問題児でした。
＊「セルフレームは、これまでも教室が開かれてたんだ……」
メタルの修行に参加したのは、私も含め、研究会の中でも特にヘビーな経歴を持つ、
技術者志向のお店の面々4名。選りすぐりの猛者共でした。
当日は教室にまで、眼鏡新聞（業界新聞）の新聞社のかたが取材に来られていましたね。
2002年に始まったセル教室はやっとのことで業界に広く認知され始めており、
セル組30名とメタル組4名が、今回は福井まで来て参加した、参加者たちでした。
＊「え、ぜんぶで30数人も福井に来て参加していたの？ 熱心なお店が業界には多いんだね」
セル教室に参加したお店の中には、
一般の参加者をお客さんの中から募ってみんなで一緒に来た
というすごいお店もありましたね。
＊「アイトピアさんも、それくらいのお店になったらいいのにね」
うっ…、そ、そうした一般の人も入れての、参加者三十余名でした。
セル組の中には、知人の工場の人が連れてきた、
‘東京の眼鏡デザイン学校の生徒さん’
もおりましたね。彼らとお話してみてとてもよく、
メガネのデザインとはどうあるべきかについて学ぶことができましたよ。
ちなみに工場の人によりますと、メタルフレーム作りの教室は今回限りになりそうだとのことです。
＊「岡本さん、向こうで何かやったんじゃないの?〔ボソ〕」
と、と、とんでもございません。単に、‘これまでになかった縦幅浅め、
横幅広めのスマートフレーム’を作ってきただけですよ。
ただし一日かかって、我々4人は工程の半分程度しか完成しませんでしたが……
＊「猛者共じゃなかったの？ で、残りは工場の人に作ってもらったんだね。
そして完成品を各お店に郵送と… そりゃまあ、丸一日かけても半分しかできないって分かっちゃったら、
その後もメタル手作り教室を続けるのも大変って思うかもね」
試作品を作るための工程とは、
リム（フレームのわく）をヤットコで手で曲げてフリーハンドで成形。
一応、見本のレンズ型などはありましたが、曲げる工程自体はあくまで手作業でした。
少しでも曲げすぎたりして形がゆがんだらまた戻ってやり直し。
その繰り返しにもだえ苦しみ、さながらあたりは地獄絵図に…
＊「ようするに4人全員がとても苦労したってことだよね」
そして事前に決めていた、リム部以外の各パーツとの組み合わせを確認し、
残りのパーツ数点を工場の部品の中から選んで指定して教室は終わりました。
＊「あとはすぐ終わったんだ…」
終わったあと、セルフレーム組の人たちも入れて全員で焼鳥屋さんで飲み会。
が、その日の夜に、我々を思わぬハプニングが襲ったのです。
＊「なんなんだよ、このサイトの特異なノリ…」
次回に続く
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飲み会の様子