ウスカル枠のサイズ展開のしかたについて
岡本隆博
7〜8年ほど前に、私は会誌に「原点フレーム・ゼロ」の考え方を書きました。
覚えておられるかたもおいででしょうが、その骨子は次のようなことです。
「大人でも子供でも、メガネで必要とする視野の大きさは同じである。
だから、機能性で枠を設計するのなら、日常生活用なら、玉型の大きさは一律でよい。(たとえば、一律52mmにするとか)
あとは、装用者のPDに応じてブリッジの長さを設定し、装用者の顔幅に応じてフロント全幅(顔幅)を設定すればよい。」
この考え方は、玉型のサイズにシビアーさが要求されるウスカル枠にこそ、よりよく生かされるのではないかと思うのです。
すなわち、ウスカル枠を新規に設計するにあたっては、玉型は常に42でよいとし、
その枠の装用者における想定PDによって、ブリッジ(鼻幅)の長さを決め、
次に、その枠の装用者の想定顔幅によって、枠の顔幅や腕幅(腕の最大幅)を決める。
(そうすると、智の張り出し幅は自動的に出てくる)
そういう考え方でウスカル枠を設計すると、たとえば、次のようなサイズ展開になります。
(耳幅は[玉型×2+鼻幅]です。)
玉型 鼻幅 顔幅 フレームPD 装用者の想定PD
42 22 114 64 58〜62
42 22 118 64 〃
42 22 122 64 〃
42 22 126 64 〃
42 22 130 64 〃
42 24 118 66 60〜64
42 24 122 66 〃
42 24 126 66 〃
42 24 130 66 〃
42 24 134 66 〃
42 26 122 68 62〜66
42 26 126 68 〃
42 26 130 68 〃
42 26 134 68 〃
42 26 138 68 〃
42 28 126 70 64〜68
42 28 130 70 〃
42 28 134 70 〃
42 28 138 70 〃
42 28 142 70 〃
42 30 130 72 66〜72
42 30 134 72 〃
42 30 138 72 〃
42 30 142 72 〃
42 30 146 72 〃
簡単に言えば、玉型は一定で鼻幅の長さと智の張り出しの長さをいろいろに変えたものを、
揃えていけばよいということになります。
こうすれば、たとえば顔幅は狭いがPDは広い人とか、顔幅は広いがPDは狭い人とか、いろんなタイプの人に
うまく合うウスカルフレームができるわけです。
すなわち、こういう枠の中から各個人に合うのを選べば、瞳孔中心は玉型リムのほぼ中央に来ますので、
そうであれば、度数が同じで屈折率も同じレンズを使うとすれば、顔幅やPDに関係なく、レンズの厚みはほぼ一定となり、
枠と顔の大きさとのバランスもよく本人のフレーム視野での鼻側と耳側の面積のバランスも、うまくいくわけです。
これを「眼鏡枠の原点サイズ展開」と呼ぶことにします。
なお、これらのうち鼻幅22mm以外の枠は、すべて「究極のウスカル枠」です。
顔幅の長いものでもワイドウスカル(準ウスカル)枠ではありません。玉型が42mmですから。