[ウスカル随想]
強度近視の人に対する差別かも
阿井植矢
そもそも、メガネの枠を選んでもらう場合、度数が強度でない人なら、
何百本という枠の中から自由に選んでもらえるわけですが、
それに比べたら−8D前後かそれ以上もあるような強度近視の人には、これまでは次のどちらかでした。
1)単に「やや小さめ」ということで、鼻幅は普通のものをお勧めし、結果として鼻側が厚くなってよけいなウズの出るメガネを作っていた。
2)「やや小さめ」ものがあっても、スタイルがイヤということで、サイズ的にふさわしくないものでがまんしてもらっていた。
これではせっかくご来店いただいたお客さんに対して申し訳ないわけで、特に2)の場合には、
枠のスタイルは満足できても、重さや厚みでおおいに不満が残るメガネとなってしまうわけです。
「枠はいいんだけど、このうず巻きがなあ……」と。
そこで、これからは、3)サイズ的にふさわしいもの、
すなわち玉型が小さめというだけでなく、鼻幅が広くなている枠が数十本用意されており、
そのなかから好みのものを選んでもらう……という状態にしていきたいものです。
それでも、100%ご満足とはいかないでしょうが、1)や2)の状態よりもはるかに望ましい状態であることはたしかです。
当店ではウスカル枠をたくさん用意していますので、来店された強度近視のかたに
「私のような強い度数の人間に適したメガネが、こんなにいろいろあるのですか!」
と喜んでいただけることがしばしばあります。
多くの枠の中から選べたという満足感……ですね。
少しオーバーに言えば、強度近視の人は枠選びにおいて、
これまでは差別されてきた状況にあった、とも言えるのではないでしょうか。
好きこのんで強度近視になったのではないのですから。
同様に、顔が非常に大きい人に対応できる枠をあまり用意していない、というのも、
そういう人への差別だとも言えなくもないわけです。
ただし、たとえば、ドハデな枠が好きな人が来店したとして、そういう枠を置いていないからといって、
そういう人への差別ということにはなりません。それはその人の趣味の問題なのですから。 ☆