通販眼鏡士のその後


2014.2.15  岡本隆博


4とおりの結末


私はこれまでに、主としてこのサイトにおいて、
メガネの通販をしている業者に、多くの公開質問をしてきた。

そのうちで、認定眼鏡士ではない人物が行なっている
通販の場合には、公開質問を受けても
ほとんどはそのまま通販を継続している。
それはまあそうだろうな、
彼らは商売第一なのだから……と思うが、
では、認定眼鏡士の場合は、どうだろうか。

通販をしている認定眼鏡士に対して私が公開質問をしたときには、
その都度(公社)日本眼鏡技術者協会(以下、単に「協会」と書く)
にその旨を通知をし、ということを実行しているのだが、
私からの公開質問を受けて、その眼鏡士はどうするだろうか。

大きく分けて次の4通りがありえる。

1)通販をやめて、眼鏡士はやめない。
2)通販は継続して、眼鏡士をやめる。
3)通販も眼鏡士もやめる。
4)通販も眼鏡士もそのままである。

協会は、その公式HPにおいて、認定眼鏡士は
メガネの通販をしてはいけない旨を述べ、
(引用はじめ)
『認定眼鏡士が、眼鏡の通信販売・ネット販売を行っていることが判明した場合、
本人に警告書を送付して、なお、改善されない場合は資格を取り消す事にする。』
(引用おわり)
としている。
であれば、協会は私から「この人は認定眼鏡士なのに通販をしていますよ」との
通知を受ければ、当然ながら当人に警告をし、それに従わなければ除名、
という措置に踏み切るはずであるから、
私からの通知のあと、1年以上たっても上記の4)の状態である、ということは
ありえないはずである。

でも、世の中には、ときどき、ありえないはずのことが起こるのである。



その後の通販眼鏡士


では、これまでにこのサイトに掲載した公開質問のなかから、
認定眼鏡士なのに通販をしていた例について、
その後はどうなっているのか、ということを調べてみよう。

それぞれの例について、下記のことを順に書いてみる。

通し番号(今回、便宜的に通し番号をつけた)
(1)公開質問を出した認定眼鏡士の店の所在地と
認定眼鏡士の氏名(敬称略)
(2)公開質問をした日
(3)現在も通販を継続しているかどうか。
*ネット検索により確認できないものは、
「やめた模様」とした。
(4)その認定眼鏡士が現在も認定眼鏡士のままで
あるかどうか。
(協会の公式HPの認定眼鏡士の名簿により判別した)

+++++++++++++++++++++++++++++

#1
(1)大阪府守口市、政次剛、宮部恵美子
(2)2010.1.17
(3)公開質問のすぐあとに、通販をやめた。
(4)宮部氏のみが今も認定眼鏡士

#2
(1)神奈川県、大和市、鹿島崇、鹿島義雄
(2)2010.1.23
(3)やめている模様
(4)眼鏡士の名簿に記載なし

#3
(1)東京都渋谷区、オプティシャンロイド
(2)2010.3.2
(3)通販を継続している
(4)公開質問時には認定眼鏡士はいなかったが、
あとになって、この店の木下栄司氏が認定眼鏡士
として、協会の名簿に載った。

#4
(1)東京都渋谷区、澤英雄
(2)2010.3.2
(3)通販を継続中
(4)今も認定眼鏡士

#5
(1)三重県松坂市、渥美健治、渥美高太
(2)2010.7.8
(3)通販を継続中
(4)渥美高太氏のみ在籍

#6
(1)京都市上京区、井上良人
(2)2010.7.9
(3)通販を継続中
(4)今も認定眼鏡士

#7
(1)福岡市中央区、仲西隆義
(2)2010.7.9
(3)通販を継続中
(4)今も認定眼鏡士

#8
(1)新潟県見附市、小根山隆元
(2)2010.7.10
(3)やめた模様
(4)今も認定眼鏡士

#9
(1)北九州市若松区、豊福仁士、豊福佳章
(2)2010.7.29
(3)通販を継続
(4)豊福佳章氏のみ在籍

#10
(1)秋田市、荒川博明
(2)2010.8.5
(3)やめた模様
(4)今も認定眼鏡士

#11
(1)愛知県岡崎市、内藤征吾、水島裕章
愛知県額田郡、梅木賢
(2)2011.6.6
(3)通販を継続中
(4)水島裕章氏のみ在籍

#12
(1)愛知県大府市、村田一郎、村田亘哉
(2)2011.7.19
(3)やめた模様
(4) 村田亘哉氏のみ在籍

#13
(1)千葉県八千代市、高見沢悦子
(2)2012.2.11
(3)通販を継続中
(4)今も認定眼鏡士

#14
(1)静岡県浜松市、上村嘉伸
(2)2012.8.21
(3)通販を継続中
(4)眼鏡士の名簿に不記載

#15
(1)東京都調布市、斎藤千尋、斎藤珠美
(2)2012.4.20
(3)通販を継続中
(4)今も認定眼鏡士



協会は、まったく放置


以上をまとめてみると、

A.通販をやめず、認定眼鏡士もやめていない
(同じ店で、別人が代わって認定眼鏡士になった例も含む)

    #3 #4 #5 #6 #7 #9 #11 #13 #15

B.通販をやめて、認定眼鏡士のまま

     #1 #8 #10 #12

C.通販はやめず、認定眼鏡士をやめた

     #14

D.通販も認定眼鏡士もやめた

      #2

このうち、Dについては、なぜ両方ともやめたのかは不明であるが、
とにかく、あつかましい人ではない。

Cの人も、ほめられたものではないが、一応筋は通っている。
しかし、こういう人はごく一部で、圧倒的に多いのが、
Aの人、すなわち、認定眼鏡士に居座ったままで、
通販も続行しているという人たちである。
15件中の9件であるから、全体の6割が、こういうあつかましい人たち
なのである。

こういう人たちが多いということは、協会は、私から
「この人は通販眼鏡士ですよ」という通知を受けても、
その人に警告を発しなかったか、あるいは、警告を発したが
反応がなかった場合には、そのまま放置しておいたかのどちらかであろう。

おそらく、警告を発することさえしなかったので、こんなに多く
不届き千万の人が残っているのだろうが、どちらにしても、
協会には、もはや傘下の認定眼鏡士に対する統治能力はないと
みなさざるを得ない。

まあ、いいわ。講習会を受けて、
会費を払っていれば、それでOKだよ。

ということなのであろう。

なお、以上のことからして、Bの人は、協会からの警告によって
通販をやめたのではなく、私からの公開質問により
やめたのだと推測できる。

結局、協会のHPのトップページに書いてある、
通販を禁じる内容の眼鏡士たちへの通達文は、
あくまでも、「一応書いておいただけ」ということに
相違ない。

しかし、そんな程度の(というか、ゼロに近い)統治能力しか持たない
協会が、国家資格制度が発足してから、はたして全国に大勢いる
眼鏡士たちの管理をちゃんとやっていけるのだろうか?

+++++++++++++++++++++++++++


《ショートショート》

   王様の通達

                       ガン・キョーシー


昔昔のことです。
ニコポン国では、王様が国民に対しておふれを出しました。
「ツーハンをした者は国外追放とする」。
それからしばらくすると、「あの人はツーハンをしています」とか
「私はだれそれがしたツーハンのために迷惑をこうむりました」
とかいうような訴えが、王宮に対して、どんどんなされましたが、

いっこうに、そのツーハン行為者が取調べを受けることがなく、
したがって、国外追放になることもありません。

王宮では、民の声を聞く係の召使が
そういう訴えをその都度王様に言上していたのですが、
王様はただウンウンと聞いているだけで、何もしません。

たまりかねた召使は王様に言いました。
「王様、ツーハンをする悪い人たちを懲らしめなくてよいのですか」

王様は長いひげをなでながら言いました。
「ツーハンの罪なんてたいしたことはない。
そいつが税金を払っておれば、それで国は別に困らない。
国外追放なんてしたら、その分税金が減ってしまう。
それに、いまこの国では、一人でも多く人口を増やして
国力を強めなければならないのだ。
国民の数を減らすのは得策ではないのだ……わかったか」

「だったら、王様、あのおふれを引っ込めましょうか」

「いやいや、あれはあのままでよい。そのほうが
ワシは『正義の味方』だと思われるからのう……ワハハハハ」

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