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ガとハについての4つの公式
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ガとハについての4つの公式

助詞ガと助詞ハの類似性や違いについては、昔からいろいろ語られている。
ガとハの違いについては、大きく分けて下記の3つの場合がある。

1)その文だけでも文法的におかしい場合

a.私が書いた本を読んでください。
b.私は書いた本を読んでください。

こういうのは日本人であれば、誰も間違えない。

2)その文だけでは文法的におかしくないが、文脈からは一方に限定される場合

c.まだ自分の名前を書いていない人はいるの?
d.誰がこの本を書いたの?
e.僕が書いた。
f.僕は書いた。

cを受けるのならfであり、d.を受けるのならeである。
これも日本人なら間違えない。

3)その文脈において、どちらでも成立する場合

g.これについては、まだ分かっていないことも多く、たとえば・・・・というようなことは、まだ誰によっても究明されていないのことなのです。
h.これについては、まだ分かっていないことも多く、たとえば・・・・というようなことが、まだ誰によっても究明されていないのことなのです。

このgとhにおいては、ハとガのどちらでも成立する。
では、その文の意味はどう違ってくるのだろうか。

この3)の場合の、ガとハの違いについて、私論を述べる。


いまの日本語学においては、こういうハは「主語」ではなく「主題」につく係り助詞(あるいは、副助詞)であり、
こういうガは、やはり「主語」につくのではなく「主格補語」につく格助詞であるという見解が有力のようである。


主題を示すハと、主格補語を示すガは、たとえば「いまは、日本中どこへ行っても温泉(ハ/ガ)あるんだよね」などのような、どちらでも成立する文例においては、文法的な知見からだけでは、その文の意味するところの違いを十分に説明しきれなかったり、説明を聞いても、いまひとつわかりにくかったりすることが多い。
そこで、簡単な公式で、そういう場合の違いを説明できないかと思って、その公式を作ってみた。

(1)AハB なら A<B
訴えの強さの相対比較を不等号で示すと、こうなる。
たとえば、「龍馬ハゆく」であれば、「龍馬」よりも「ゆく」の方が強いので、龍馬を書いた小説のタイ   トルとしては「龍馬ガゆく」よりもずっと不自然である。
   「俺は男だ」なたば、もちろん「男」を強調したいわけである。
   この(1)の公式には、例外はないはずである。
もしも、例外があるのなら、例示をいただきたい。
  なお、AハBならA<Bであるが、逆に、A<Bの場合には必ずハが使われる、ということではない。
(逆は必ずしも真ならず)
しかし、「AハBならA<B」の対偶である「A>Bなら、AハBにはならない」は成立する。
A>Bなのに、AハBでおかしくない文例が出てくれば、それは覆るのだが……。

(2)AガB なら、たいていは A>Bで、ときどきA=B、まれにA<B    
A>Bの例を、ひとつ、示しておく。
「龍馬がゆく」であれば、「ゆく」よりも「龍馬」の方が強い。当然である。

A=Bの例
ア)「どうしたんだ?」「頭ガ痛い……」
イ)「みなさま、右手の高い建物ガ六本木ヒルズでございます」

ア)の場合に、もしも質問が「どこが痛いの?」だったら、A>Bである。
「頭がどうしたんだ?」に対する答であれば、A<Bである。
  その場合、A<Bの答えを言うためにAを省略して「痛いんだ」と言うことはあっても「頭は痛いんだ」とは  言わない。
イ)の場合に、もしも「六本木ヒルズはどれなの?」に対する答えであれば、A>Bであり、仮に「あの建物は何なの?」という問いに答えるのなら、普通であればガでなくハになりそうだが、仮にこのようにガで答えたとしても、誤りとは言えないだろう。その場合には、本当に例外的に、このセリフであれば、ガであっても、A<Bになりそうである。
 もし「あの建物は?」に対してでもイ)のような答えが出たとしたら、その理由は、ガイドはまず、自分が見せたいものの方を客の視線を向けるということを重視するので、理論的には、ハを使うべきであっても、イ)のようにガを使って「右手の高い建物」を「六本木ヒルズ」よりも強い主張としてしまうことがあるのであろう。

 このように、「AガB」においては、ほとんどの場合には「A>B」であるが、文脈により、AとBの訴えの強さの関係が変わるのだと言える。

 それで、(2)の公式のように「たいていはこうだか、ときどきはこうなって、まれにこうなる」なんてのは、公式としては、きれいではない。
 そこで、ハとガについて例外のない公式を考えてみた。

(3)A1ハB1 A2ガB2 においては、 
B1÷A1 > A2÷B2
あるいは、A1<<B1 で、A2>B2 

例  ウ)あの山ハ富士山です。
エ)あの山ガ富士山です。

ウ)では文脈に関わらず、富士山>あの山 であるが、エ)では、たいていの場合には      あの山>富士山なのだが、文脈によっては、そうはならない。
しかし、いずれであっても、エ)における「富士山」に対する「あの山」の強さの割合よりも、ウ)における「あの山」に対する「富士山」の強さの割合の方が大きい。
 
オ)雪ハ降る あなたは来ない
カ)雪ガ降る あなたは来ない

        オ)では「雪」よりも「降る」が強く、カ)ではその逆だが、
        オ)では、雪<<降る であり、カ)では、雪>降る である。
        となると、オ)では、「降る」の強調が強すぎて、せっかくの雪景色の興趣を損ねている。
        カ)では、あたり一面の「雪」の雰囲気をうまく出している。  

キ)龍馬ハゆく
ク)龍馬ガゆく

原理的には、ク)における龍馬の強調割合よりも、キ)における「ゆく」の強調割合の方が勝るが、ここではそういうことを比較しても、あまり意味がない。
短い文の中における固有名詞の訴求力は一般名詞よりも強いので、キ)だけを見るのなら、「龍馬」それ自体は消して弱くはない。

(4)A1ガB1 と B2ハA2 においては  
    B1÷A1 < A2÷B2  
あるいは、A1>B1 で、B2<<A2

例  ケ)誰がこんなことを決めたの?
        コ)俺ガルールブックだ。
        サ)ルールブックハ俺だ。
シ)おまえハ一体何様なんだ。
        ス)俺ハルールブックだ。
        セ)ルールブックが俺だ。
     
 ケ)に対する答となコ)とサ)を比較すると、コ)における「ルールブック」に対する「俺」の強さよりも、サ)における「ルールブック」に対する「俺」の強さの方が大きいように感じる。
 それは、サ)の方が一番言いたいことをあとに持ってくることによる、じらし効果を持っているからだと思う。

 また、シ)に対する答えとして、ス)が自然で、セ)が不自然なのは、セ)では「俺」に対する「ルールブック」の強さが不十分であるが、ス)では「俺」は「ルールブック」よりもきわめて強いので、ス)の方がセ)よりも、ク)に対する答えとして適しているのだといえよう。

 たとえば、司会者が本日のゲストを紹介するのに、下記のどちらが、ゲストの名前をより印象強く紹介できるか、ということにおいても、同様のことが言える。

 ソ)今日のゲストハ、五木ひろしさんです。
 タ)今日は、五木ひろしさんガゲストです。

 あなたがゲストなら、どちらの言い方で紹介してほしいだろうか。

以上の(3)と(4)の公式は、私案(私説)である。
反例があればお示しいただければ幸いである。


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