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セルフレームのオーダーメイドは可能?
(2006.11.21)
今回は、メガネのオーダーメイドについて…
当店アイトピアでは作成可能なのかどうかというお話をいたしましょう。
*「たしか岡本さんは2006年8月に、
福井の工場にメタルフレームの手作りの修行に行って来たんだったよね。
でそれ以前にも、2002年に福井に手作りセルフレームの講習に行ってたとか」

そうでしたね。
まずメタルフレームですが、あの複雑な仕組みのメタルフレームを
一本一本手作業で作るとなりますと、コストは膨大なものになってしまいます。
*「それで工場の人にも、
『普通のメタル素材のフレームでは、一本単位のオーダーはお受けできませんよ』
って言われたんだったね」

はい。そしてセルフレームのほうですが、
私・岡本は、『別作セルフレーム』ということで、ときたま福井の知人の工場に発注して、
さまざまな一点モノのオリジナルセルフレームを作っていたりします。

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ずいぶんと増えてきました、別作セルフレーム。

ですが現在のところ当店アイトピアは、
セルフレームのオーダーメイドの眼鏡作りはお受けしていませんでね…
*「え、どうして?」

理由はいくつかあるのですが、
まずセル生地の確保の問題があります。

別作セルフレームを作っている、知人のセルフレーム工場には、
イタリアのマツケリー社という会社のセル生地倉庫から福井の工場に直送。
マツケリー社のハイクラスなセル生地をさらに蔵で寝かせて熟成させるというプロセスをとっています。
*「セル生地にも等級なんてあるの?」

えぇと、それはですね…
はっきりとした等級付けがされているかどうかはわかりませんが、
できあがってきたセルフレームを触ってみると感じ取れると思います。
上質なセルフレームには、アセテート素材に含まれる樹脂の、
油脂成分の特有の手触りというものがあってですね…
しっとりとしてそれでいて繊細、芳醇なるコクとまろやかなる味わいを帯びた至高の潤いがああだこうだ云々
つまるところ… 洋服屋さんが布地を触って素材の品質を読みとるように、
セル生地も生地をじかに手で触ることで品質を読みとることができるというわけです。
*「それって、かなりセル生地を触り慣れていないとわからないのでは…?」

そうかもしれませんね。あるていどは、いいものに触れることで見る目というか、勘を養わなければ難しいのかも。
さいきん私は、
洋服の布地も触ることで、品質を読みとることができるようになりはじめているところですが、
それができるようになるまでには紆余曲折のマニアックな道程というものが…
*「なんて言ってるけど、岡本さんも昔は服の善し悪しがぜんぜんわからなかったんだよね。
なにせオシャレに目覚めたのが高校三年の秋だから」

ギクッ! そ、それは仕方がないでしょう。
私の両親がオシャレというものにもともとほとんど関心がなかったのですから、いわば不可抗力というやつですよ。
*「すごい開き直りだ……」

話が脱線しましたね。
アイトピアが別作セルフレームを注文する場合、在庫確認はその福井の工場に出すのですが、
なにぶん一枚一枚のセル生地が不定期にしか届いてこないために、
なかなか希望の生地でのセルフレーム製作が確実にできるとはいかない状況だったりします。

しかも最近、福井のセル生地工場のほうがいそがしくなっていまして、
注文してから2〜3ヶ月以上かかることもめずらしくなくなり、
図面の指定でのサイズ決めの期間を入れると、ほとんど半年がかりで作ることも覚悟しておかなければいけません。

*「しかも図面のイメージ通りにできあがってくるとも限らないしね。
図面と実際のメガネでは、微妙に雰囲気が違って見えることも珍しくないっていうね。
アイトピアでこれまでに作った別作フレームの経験上ではそうだったとか」
そうです。ですので結局のところ、私が個人の責任と裁量で作るしかないでしょうね…
ですがもしも、『こんなセルフレームがほしい!』という要望をお持ちのかたがおられれば、
私がそのお話をお聞きして、こちらでそれに近いものを作っておくということができるかもしれません。

*「ふ〜ん。それじゃたとえば、
『腕が太めでレンズサイズ小さめで、
なおかつ顔の少し大きめの人用の丸メガネ、
カラーはダークブラウン』

を作っといてくれるかな?」
そうですね、それでは作ってみましょう。
半年ほど後には店頭に並んでいるかも知れません。
その時分に一度お立ち寄り下さい。
なおそれを買わなければならないといった義務はございませんので。

*「え〜とじゃあね。
『腕の横からビラビラの羽根飾り風のイボイボがたくさん生えてて、
メガネの前の形が真四角でカラーはショッキングピンク、
さらにフレームの真横からアンテナ状の突起が突き出たデコデコのセルフレーム』
も作ってくれる?」
うぅむ、わかりました、できるだけ検討してみましょう。
ただし製作までに1000年はかかるかもしれませんので、そのおつもりで…

*「要するに、できるものとできないものがあるってことね…」

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